11月13日 きょうは何の日?

きょうは何の日

うるしの日



きょうの本棚

①「縄文の漆」 岡村道雄 同成社(210:日本史)

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 縄文文化の華「漆製品」その起源や特色、製作技法の変遷などを具体的な資料を取り上げ考古学的に解き明かす。

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②「宮本常一とあるいた昭和の日本〈23〉漆・柿渋と木工」田村善次郎、宮本千晴監修 農山漁村文化協会(382:風俗史)

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「阿波半田の塗師」「宮城県鳴子の漆かき」「越前大野の木地屋と塗師」「南会津の太鼓屋」など伝統工芸を受継いできた人々を訪ねる。

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③「魔法の薬 : マジックポーション」 秦野啓 司馬炳介 新紀元社(499:薬学)

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 古今東西の歴史・伝承には、さまざまな薬が登場する。それらが使用された背景や効果などを詳しく紹介。第一部「毒・医薬」の項目に「漆」が取り上げられている。

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④「うるしの科学」 小川俊夫 共立出版(572:化学工業・油脂類)

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 エコな天然素材として注目される,うるし(漆)の物理的・化学的性質を材料学の立場から工芸家らのためにまとめた。

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⑤「漆学:植生、文化から有機化学まで」 宮越哲雄 明治大学出版会(572:化学工業・油脂類)

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 漆は縄文時代から使われていた。その歴史から世界的広がり、多彩な漆文化、さらには最先端の研究までを一望する漆学大全。

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⑥「金継ぎ一年生 : 本漆で、やきもの、ガラス、漆器まで直します」山中俊彦 監修(752:漆工芸)

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 「金継ぎ」とは、漆の特性を生かして破損した部分を再生し、金や銀などで表面を加飾する、日本古来の手法。本書は初心者でもできる「使える金継ぎ」を目指します。

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⑦「漆 塗師物語」 赤木明登 文藝春秋(752:漆工芸)

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 和紙を使用した独自の漆器づくりで注目される塗師が書き下ろした漆職人の現場と輪島塗の歴史と現在。

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⑧「吉祥寺うつわ処 漆芸家・棗芽清乃の事件手帖」 穂波晴野  マイクロマガジン社(913:日本文学・小説)

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 あらぬ疑いをかけられた女子大生が吉祥寺で出会った漆芸家は彼女の事情を知ると、見てきたかのようにその真相を解き明かしていく。

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⑨「うるしの器」 瀬戸山玄/文と写真 岩崎書店(絵本)(752:漆工芸)

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 縄文時代にルーツを持ち、平安時代からつづく、岩手県二戸市の浄法寺うるし。うるしそのものを生産し、その塗りまでを手がける職人をたずねる。

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きょうは何の日? コラム

「うるしの日」

 この日がうるしの日になった由来。

 漆は古来から用いられていましたが、その製法は完成されてはいませんでした。文徳天皇の第一皇子・惟喬親王は、そのことを憂い自ら京の嵐山の法輪寺に参籠し、その満願の日に「漆」の製法を菩薩より伝授され国内各地に広めたといいます。この日は漆工の関係者の祭日となり、親方が職人に酒や菓子などを配り労をねぎらいました。

「日本の漆器」

 漆塗りは、ウルシの樹液から精製される漆を器物の表面に塗り重ね、様々な加飾を施す、東洋独特の伝統的技法です。日本では北海道垣ノ島遺跡から約9000年前の漆塗りの副葬品が出土しています。この発見により、日本が縄文時代早期から漆工芸技術を持っていたことが判明しました。世界でも最古だそうです。平安時代以降になると漆器の装飾技法「蒔絵」が開発され、安土桃山時代には南蛮貿易で多くの日本の漆器が輸出され、ヨーロッパの人々を魅了しました。そして江戸時代にかけて技法と美術的価値が大きく発展し、漆で極めて高度に装飾された印籠・刀剣の鞘・甲冑などが製作され武家や町人の間で流行しました。

「japan」

 日本の漆器は中世から欧州で高名であり、日本語に由来する世界共通の漆の用語が複数あります。例えばウルシの木に含まれている物質「ウルシオール」は、1906年に「漆」から命名した言葉が世界化したものです。また磁器を「china」と表記することがあるように、日本の漆器に限らず漆器を「japan」と表記することがあります。しかし、日本の漆器の模倣品(ジャパニング)の意味もあるため、英米の英語辞典の「japan」欄に「漆」、「漆器」の意味は載っていないそうです。

「輪島塗」

 日本各地には多くの漆器が存在しています。輪島塗はその中でももっとも有名なもののひとつでしょう。石川県輪島市で生産される漆器なので「輪島塗」といいます。輪島での漆器の生産は古く、同じ能登半島の七尾市の遺跡からは6800年前の漆製品が発見されています。輪島では平安時代の遺構で漆製品が発掘されています。現在のような輪島塗の技術が確立したのは江戸時代前期。能登半島北端にある輪島は北前船などの寄港地であり、この時期には既に海運の利を生かして販路を拡大していました。また陸路での行商もおこなわれており、堅牢さが評判の輪島塗は日本各地で使われました。

「金継ぎ」

 金継ぎ師によって陶磁器の破損部分を漆を用いて修繕する技法を金継ぎといいます。古来から行われる日本の伝統工芸の一つです。漆を用いて修繕を行う技術自体、古くは縄文土器にも存在していました。金継ぎはウルシの木の樹液を精製して作られる天然の接着剤である漆を使用して複数の工程で数週間かけて行われます。漆による接着の強度は長い歴史が証明しており、あらゆる接着剤の中でも非常に優秀であるとされています。

それでは、また次回。
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ビブリオ9

司書のビブリオ9です。
図書館で何の本を借りたらいいか、迷っているあなた。
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