藤ノ木古墳の日
きょうのビブリオ9
①「高田長老の法隆寺のいま昔」高田良信 朝日新聞出版(188:各宗)
当代一の学僧として法隆寺の興隆に尽力するした法隆寺長老「高田良信」の自伝。
平安時代の史料を発見し、藤ノ木古墳の被葬者論に一石を投じました。
②「古墳と被葬者の謎に迫る」大塚初重 祥伝社(210:日本史)
藤ノ木古墳の発掘秘話と二人の被葬者ほか。
古墳の基礎知識から最新の講義まで。
③「斑鳩に眠る二人の貴公子」 前園実知雄 新泉社(210:日本史)
藤ノ木古墳の石室には華麗な馬具が納められ、千年以上の時を経て開かれた石棺には、豪華な副葬品に包まれて二人の人物が眠っていました。二人の被葬者は誰なのか。
④「英雄の最期と墓所の事典」 かみゆ歴史編集部 柏書房(281:伝記・日本)
日本史上を彩った500人の生歿年月日、享年、終焉の地、墓所、略伝が、この1冊で丸わかり。
藤ノ木古墳の被葬者ともいわれる崇峻天皇の記載もあります
⑤「法隆寺の謎を解く」武澤秀一 筑摩書房(521:日本の建築)
世界遺産「法隆寺」は世界最古の木造建築として有名ですが、実は創建から百年ほど後に再建されたものだったのです。誰がなんの目的で再建したのでしょうか。
⑥「法隆寺 世界最古の木造建築」 西岡常一ほか 草思社(521:日本の建築)
法隆寺の解体修理にあたった棟梁らが法隆寺建築の謎に解き明かします。本書では社寺建築の骨組みや工程が豊富なイラストとともにわかりやすく解説されています。1980年刊行の新装版。
⑦「覇王の神殿 : 日本を造った男・蘇我馬子」 伊東潤 潮出版社(913:日本文学・小説)
蘇我氏VS 物部氏の骨肉の争いに、推古天皇を中心とした愛憎劇。
⑧「天駆ける皇子」 藤ノ木陵 講談社(913:日本文学・小説)
藤ノ木古墳の被葬者と目される穴穂部皇子や宅部皇子が登場します。かれらが主役クラスで登場するおそらく唯一の小説。
⑨「聖徳太子の国づくり」 鍵和田武彦/文 石井勉/絵 岩崎書店(絵本)
絵本版おはなし日本の歴史 4。
国づくりのプランナー、聖徳太子のものがたり。
きょうは何の日? ひとこと
1985年のこの日、奈良県斑鳩町の藤ノ木古墳の石室等が発堀された事を記念し「藤ノ木古墳の日」が制定されました。
藤ノ木古墳は法隆寺の西院伽藍の西方約350メートルに位置します。
この古墳からは金銅製の馬具や装身具類、刀剣類や貴金属を用いたきらびやかな副葬品が多く出土し、有力な権力者が被葬されていたと推測されています。
二人の被葬者がいたことがわかっています。いわゆる合葬というものです。権力者のお墓に合葬されるとなれば、男女つまり夫婦である場合が多いのですが、藤ノ木古墳では両者とも男性の可能性が非常に高いというのです。この規模の古墳で男同士の合葬というのは異例中の異例ということです。そのことからさまざまな推測がなされています。
有力なのは聖徳太子の叔父で蘇我馬子に暗殺された「穴穂部皇子」と、宣化天皇の皇子ともされる「宅部皇子」の二人です。
もうひとつの説は穴穂部皇子の陵墓であった所に同母弟で同じく蘇我馬子が暗殺させた「崇峻天皇」と合葬されたというものです。
どちらにしても、暗殺という非業の死を遂げたので、急いで葬る必要があり男性二人での合葬になったのだろうということです。
藤ノ木古墳を知るには、その前後で活躍した聖徳太子や蘇我馬子なども知る必要があります。そこで「藤ノ木古墳」だけでなく「聖徳太子」「蘇我馬子」「法隆寺」などもテーマとしました。
それでは、また次回。
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司書のビブリオ9です。
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