「ケルン大聖堂の日」
きょうの本棚
①「ドイツ世界遺産と歴史の旅」武村陽子 彩図社(293:欧州地理)
ケルン大聖堂はドイツの世界遺産です。ドイツの世界遺産を知るための一冊。
ドイツは昔の日本と同じように、大枠ではドイツ(神聖ローマ帝国)でしたが、その内部は半独立した国や都市の集まりでした。
ドイツの町が、それぞれ個性に富んでいるのは町ごとに辿ってきた歴史が異なるからなのです。この本ではベテランの添乗員による歩くだけではわからないドイツの町の歴史がわかります。
②「住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち」川口マーン惠美 講談社(302:政治)
「ケルンの地下鉄建設と池袋の道路工事」
「劣化するウィーン・パリ・フランクフルトvs.進化する東京」など。
ドイツ在住30年、現地で結婚し子供を育てた大阪生まれの著者の日欧比較論。欧州の現実をあぶりだし、その問題点をあらわにしています。
③「知識ゼロからの教会入門」船本弘樹 幻冬舎(526:各種建築)
ここでいう教会とは教会建築のこと。ケルン大聖堂など世界の大聖堂などの教会建築がわかる本。
楽天ブックス > 「知識ゼロからの教会入門」④「スペースコロニー 宇宙で暮らす方法」向井千秋 講談社(538:航空工学)
ケルンは植民市という意味のコロニアを語源としています。
英語ではコロニーということで スペースコロニーをとりあげました。
スペースコロニーで暮らすためには様々な技術が高いレベルで要求されます。
宇宙飛行士の向井千秋さんがその詳細を徹底解説します。
⑤「新しい香水の教科書」小磯良江 マイナビ出版(576:油脂類)
「オーデコロン」というのはケルンの水という意味だそうです。オーデコロンなど香水の歴史から原料、製造方法や付け方まで解説します。
楽天ブックス > 「新しい香水の教科書」⑥「美しいステンドグラスの塗り絵」塗り絵研究会 宝島社(726:挿絵)
ケルン大聖堂など世界各地のステンドグラスの図柄が43点収録された塗り絵集。
楽天ブックス > 「美しいステンドグラスの塗り絵」⑦「語源に隠れた世界の歴史」岩中祥史 三笠書房(801:言語学)
ケルンの水を語源とするオーデコロンを始め、食べ物、ファッション、スポーツなど様々なジャンルの語源から世界史をひもときます。
楽天ブックス > 「語源に隠れた世界の歴史」⑧「マギの聖骨 上下」ジェームズ・ロリンズ 竹書房(933:英米文学・小説)
シグマフォースシリーズの第5弾。
ダン・ブラウン著「ダ・ヴィンチコード」のような謎解きとアクションからなる作品。
本作の冒頭はドイツのケルン大聖堂で行われたミサの最中、修道服姿の侵入者が司祭らを惨殺する印象的なシーンとなっています。
⑨「変わり者ピッポ」トレーシー・E・ファーン/文 ポー・エストラーダ/絵 光村教育図書(絵本)
ケルン大聖堂ではありませんが、同じく大聖堂で有名なフィレンツェの花の大聖堂が登場します。
だれもが不可能と思ったその大聖堂のドームを完成させた天才建築家の物語。
きょうは何の日? ひとこと
1880年のこの日、ケルン大聖堂の完成祝賀式典がドイツ皇帝ヴィルヘルム1世の臨席の下で開催されました。
現在のものは3代目。2代目が焼失した1248年に建設がはじまりましたが、財政難のため工事は中断し再開されたのは19世紀になってから、実に完成に600年近い月日がかかりました。
大聖堂とはカトリック教会においては、司教座がおかれた聖堂をいうそうです。司教を県知事とすれば県庁庁舎のようなものでしょう。
ここからわかるのはケルンがカトリック教会の司教座がおかれているということです。
キリスト教が広まったのはローマ帝国の時代。ケルンはローマの植民市でした。ずばり、ケルンということば自体が植民市を示すコロニアを語源としています。
正式名称はコロニア・アグリッピネンシスといいます。
時のローマ皇帝の妻の出身地だったのでコロニアに昇格させたのです。正式名称の後半部分は妻の名前から来ていますが、いつの間にか省略されてコロニアだけとなりケルンとなったようです。
ちなみに彼女の子どもがあの暴君ネロです。
語源といえばオーデコロンのコロンはこのケルンからきた言葉です。
いろいろつながりがあって面白いです。
ということで「ケルン」「大聖堂」をテーマに提案しました。
それでは、また次回。
この記事が読書の一助になることを願って!
司書のビブリオ9です。
図書館で何の本を借りたらいいか、迷っているあなた。
そんなあなたにいろいろなテーマで本をご提案します。