「蓄音機の日」
きょうの本棚
①「あの天才がなぜ転落 伝説の12人に学ぶ失敗の本質」玉手義朗 日経BP社(159:人生訓)
エジソンといえば電流戦争で争った天才科学者ニコラ・テスラが思い浮かびます。
その成功と失敗がわかる良書です。
テスラのことをもっとよく知りたいとい方には
「知られざる天才 ニコラ・テスラ」新戸雅章 (平凡社新書)がおすすめです。
②「大人が読みたいエジソンの話」石川憲二 日刊工業新聞社(289:伝記)
こどもの頃に読む伝記といえばエジソンが、いの一番にとりあげられるのではないでしょうか。
その中でとりあげられるエジソンのエピソードをひとつひとつ検証しています。
偉人には違いありませんがイメージと実像が大きく乖離していることがわかります。
③「自動車王フォードが語るエジソン 成功の法則」ヘンリー・フォード 言視舎(289:伝記)
フォードが自動車開発で迷っていた時、電気や蒸気よりかれがとりくんでいた内燃機関が有利だとアドバイスしたのがエジソンだそうです。
フォードの成功は師匠エジソンのおかげだったのです。そんなフォードからみた発明王エジソン伝。
④「寺田寅彦 科学者とあたま」寺田寅彦 平凡社(404:論文集)
寺田寅彦は物理学者でありながら文学などにも造詣が深く、科学と文学を調和させた随筆を多く残しています。
「蓄音機」など14編収録。ちなみに「天災は忘れた頃にやってくる」という名言はかれの言葉だといわれています。
⑤「50 いまの経済を作ったモノ」ティム・ハーフォード 日本経済新聞社(507:技術教育)
現代の経済を作ったモノを解説する本。
「犂(すき)の発明のせいで、人間の身長は15センチ低い 」
「蓄音機が貧富の格差を拡大させた」など。面白いモノの話が盛りだくさん。
⑥「今日から始める蓄音機生活」梅田英喜 デコ(547:通信工学)
「蓄音機専門店「梅屋」を東京都内で始め2015年大分県・由布院に移る」「テレビ東京『なんでも鑑定団』の蓄音機担当」という著者による蓄音機とSPレコードをあつく語る本です。
楽天ブックス> 「今日から始める蓄音機生活」梅田英喜 デコ⑦「蓄音機の時代」加藤玄生 ショパン(760:音楽)
蓄音機開発の歴史、レコードの生産方法、蓄音機本体の構造、使用方法などが詳しく語られています。
楽天ブックス> 蓄音機の時代⑧「海辺のカフカ」(上・下)村上春樹 新潮社(913:日本文学・小説)
レコードが出てくる小説ということで思いつく作家と言えば村上春樹ではないでしょうか。そんななかでも海辺のカフカは多くのレコードがでてきます。
⑨「メリーさんのひつじ:ほんとうにあったおはなし」ウィル・モーゼスさく 福音館書店(絵本)
エジソンの蓄音機にはじめて録音されたのは「メリーさんのひつじ」でした。
その「メリーさんのひつじ」には元になる実話があったそうです。よく知られているのに実話とは、内容は読んでのお楽しみ。
きょうは何の日? ひとこと
1877年のこの日、トーマス・エジソンが「蓄音機」の特許をとりました。
それを記念して「蓄音機の日」となりました。
蓄音機といえば、あのラッパのようなスピーカーがついた姿を思い浮かべます。
同じレコード盤を使い再生しますが、普通のレコードプレーヤーと蓄音機は何が違うのでしょうか。
簡単に説明すると蓄音機は針で読み取った振幅を機械的に増幅し再生したものです。だから、あんなに大きなラッパが必要なのでしょう。一方、レコードプレーヤーは同じく読み取った振幅を電気的に増幅し再生したものです。
エジソンの蓄音機はレコード盤(円盤)を使うものではなく円筒を使うもので実用には程遠い代物でした。ただし原理的にはレコードプレーヤーにも続いていくものですのでエジソンの発明といっても問題ないのでしょう。
今に続く円盤(レコード盤)型の蓄音機はエミール・ベルリナーが発明しました。その蓄音機はグラモフォンと呼ばれ、グラミー賞の語源にもなっています。
ということで「蓄音機」や「エジソン」をテーマに提案しました。
それでは、また次回。
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司書のビブリオ9です。
図書館で何の本を借りたらいいか、迷っているあなた。
そんなあなたにいろいろなテーマで本をご提案します。